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踊る猫の生活

創作のような日常/日常のような創作

マルセル・プルースト『失われた時を求めて』第一巻

失われた時を求めて〈1〉第一篇「スワン家のほうへ1」 (光文社古典新訳文庫)

失われた時を求めて〈1〉第一篇「スワン家のほうへ1」 (光文社古典新訳文庫)

 

何度も冒頭の数ページで挫折した思い出が蘇る。フローベール『ボヴァリー夫人』を読んで小説はスジではなくテクストの美しさそれ自体を味わうべきものなのだと理解したからか、今回の読書では「精読」ではなくテクストそれ自体を吟味するように、つまりなにが書かれているのかについてあまり拘らずに読んだ。だからなのか心地良い読書体験を味わうことが出来た。自分が幼少期の頃の(むろん、本書ほど優雅なものではないけれど)「記憶」を想起させられながら、憧れの人への思慕やあの頃の陶酔感を味わう読書となった。高遠氏の訳でこれからも読もう。