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踊る猫の生活

創作のような日常/日常のような創作

好きなミステリ

創作のような日常
V.I.P.

V.I.P.

 

お題「好きなミステリー」

例えばこのお題でアルベール・カミュ『異邦人』を例に出したら叱られるだろうか。

異邦人 (新潮文庫)

異邦人 (新潮文庫)

 

アルベール・カミュに依るこの作品は、私自身恥ずかしながらいつもながらの怠慢で読まずに過ごして来てしまっていた。フランツ・カフカの「変身」同様、読まなくてもあまりにも有名過ぎるあらすじだけ知っていればそれで良いや、と高を括ってしまっていたのだ。読んでみて、この作品はサイコ・サスペンス(ということは「ミステリ」ではなくなるのだが)として読んでみても面白いのではないかと思った。主人公のムルソーは主体性を欠いた、何処か曖昧模糊とした人格の持ち主として語られる。その男が流されるがままに人を殺し、太陽が眩しかったからと嘯く。そのあたりに注目して読めば面白いのではないかと。

www.honzuki.jp

あと好きなミステリと言えば乾くるみ氏の『イニシエーション・ラブ』だろうか。これは原作はそれほど面白いとは思わなかったのだけれど(失礼!)、堤幸彦監督に依って映画化されたものはなかなか面白いと思った。前田敦子氏はここに来て一皮剥けたのではないかと思ったのだ。

イニシエーション・ラブ DVD

イニシエーション・ラブ DVD

 

filmarks.com

原作は映像化不可能なトリックを使っている。そのトリックをどう映画化するのか私は期待して観ていたのだけれど、コロンブスの卵的な発想を使って巧く映画化されている。先程も述べたが前田敦子氏の小悪魔ぶりも面白い(と書けばネタを割っていることに繋がるのだろうか?)。『セブンス・コード』ではまだまだ頑張りが痛々しいなと思っていた前田敦子氏の演技も臭くなくて良かったように思う。

「トリック」ということで思い出したのだけれど、M・ナイト・シャマラン監督『ヴィジット』もなかなか面白かった。

filmarks.com

akinosora.hatenablog.jp

しかしなんと要ってもトドメを刺すのは麻耶雄嵩氏の作品だろう。近年の作品は読めていないし、全ての作品が傑作だとも思わないのだけれど私は『夏と冬の奏鳴曲』は好きで良く読んでいるのだった。この作品が現段階で新刊で入手出来ないのは情けないというか、残念だ。

夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) (講談社文庫)

夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) (講談社文庫)

 

これはネタを割ることに繋がるのかもしれないが、私はスタニスワフ・レムソラリス』――私の怠慢に依り沼野充義氏が手掛けられた新訳版は読んでいないが――を連想しながら読んだ。五、六回は読んだのではないだろうか。若書きの感は否めないのだけれど、独自の幻想的な世界に惹き込まれてしまうのだった。

麻耶雄嵩氏はパズラーというか、正統派のミステリも書かれる方である。それは例えば『名探偵 木更津悠也』や『メルカトルかく語りき』でも発揮されていることだろう。

メルカトルかく語りき (講談社文庫)

メルカトルかく語りき (講談社文庫)

 
名探偵 木更津悠也 (光文社文庫)

名探偵 木更津悠也 (光文社文庫)

 

 私はミステリ自体に縁がないので、こういう作品しか挙げられない。エラリー・クイーンチェスタトンも読んでいないのだから話にならない。怠慢もあるし、元々ミステリ自体に興味を持っていないのかもしれない。例えば奥泉光『グランド・ミステリー』という本なら興味深く読んだのだけれど、そのあたりが私の限界である。

グランド・ミステリー (KADOKAWA新文芸)

グランド・ミステリー (KADOKAWA新文芸)

 

オチもなにもない話になってしまったが、これが私の好きなミステリたちだ。