踊る猫の生活

創作のような日常/日常のような創作

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エッセンシャル・シンディ・ローパー

エッセンシャル・シンディ・ローパー

 

私の場合「波」があるので、今はこのブログのネタもなかなか出て来ない。一時期は無尽蔵のようにネタが出て来たものだが、こればかりは致し方がない。どうでも良いことでお茶を濁すしかないのだった。というわけで読書メーターのメモ。

1月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1714
ナイス数:194

死亡遊戯 (河出文庫文芸コレクション)死亡遊戯 (河出文庫文芸コレクション)感想
読み返して、やはり藤沢周という作家は今だからこそ評価されるべきなのではないかと考えてしまった。かつて読んだ時はピンと来なくて、「J文学」の看板で持ち上げられているだけのハッタリなのだろうと舐めて掛かってしまったのだけれど、短文を畳み掛けることに依って生まれるピリピリした緊張感はクセになる。現代風俗を過剰に取り入れながらイヤミにならない、そのソリッドな感覚は村上龍氏や阿部和重氏の作品にも似ているようで似ていない。いつの頃からかフォローしなくなった作家なのだけれど、これは迂闊だったと反省させられた。素晴らしい
読了日:01月30日 著者:藤沢 周
サラバンド・サラバンダサラバンド・サラバンダ感想
久し振りに読む藤沢周作品。やはりというか、独自のピリピリした緊張感の高い文章は読んでいてクセになる。書かれているのは老境を意識した男たちの悲哀なのだけれど、古井由吉氏のような枯淡の境地に達しているわけではなく、女性に対するエロティシズムが溢れているところが藤沢氏らしいというかなんというか……どの作品もその短さにおいて物足りなさを感じさせる反面、この短さが藤沢氏の作品の魅力を引き出しているとも言えるのだから悩ましい。デビュー当時のソリッドさを保ちつつここまで来られたというのは凄いことなのだろう。是非再評価を
読了日:01月28日 著者:藤沢 周
BB/PPBB/PP感想
『幽 花腐し』を読んだ直後に読んだからか、読み終えて唸らされてしまった。吉田健一の模倣のような文体からより骨太な文体へと変化したことは僭越な言い方をすれば「成長」なのだろう。だが、松浦氏はやはり津原泰水氏や平山夢明氏のような野蛮で血腥い、猟奇趣味的な世界は書けない。だから表題作もショッキングではあるのだけれど、何処か頭でっかちという印象が拭えない。私が興味を惹かれたのは主観のあやふやさを描いているところで、それは『幽 花腐し』から共通しているテーマなのだけれど幻惑的な筆致には辿り着いていないように思われる
読了日:01月27日 著者:松浦 寿輝
幽 花腐し (講談社文芸文庫)幽 花腐し (講談社文芸文庫)感想
活字が頭に入らないコンディションでふと手に取ったのだけれど、スルスルと読めてしまうことに驚いた。あやふやな、なにを書いてあるのか良く分からない、それでいて読んでいることそれ自体が快楽であるかのような読後感……読みながらうっとりさせられてしまった。マッチョイズムとは無縁の情けない男たちと、妙にこちらを誘う官能的な女性たちが織り成すダメ人間のための小説集。吉田健一を読んでいるかのような気分になってしまった(過褒か?)。恐らくそう遠くない時期に私はこの本を読み返すだろう……内容をさっぱり忘れたのだから(失礼!)
読了日:01月25日 著者:松浦 寿輝
ぬかるんでからぬかるんでから感想
佐藤哲也氏の作品はさほど読めていないのだけれど、奇抜な発想をしかし確かな筆力で大袈裟に真面目っぽく語る(褒め言葉のつもりです)ところが独自の恐怖と笑いをもたらすのではないかと考えている。それはこの短編集でも例外ではなく、バカバカしいとさえ思われるシュールな世界を強烈な筆力で語るその技巧にやられてしまった。笑いをもたらす、というところが重要である。この短編集の世界はコントを楽しむつもりで読まなければ分からない部分も多々あるのではないか。「妻」が重要な存在として現れるところが『妻の帝国』を想起させられ興味深い
読了日:01月09日 著者:佐藤 哲也
ラテンアメリカ文学入門 - ボルヘス、ガルシア・マルケスから新世代の旗手まで (中公新書)ラテンアメリカ文学入門 - ボルヘス、ガルシア・マルケスから新世代の旗手まで (中公新書)感想
フエンテスコルタサルの区別もつかないくらいラテンアメリカ文学に関しては疎いので、読みながら参考にさせられる部分は多々あった。タメになる本だと思う。だが、「入門」と語るのはどうだろう。本書から見えて来るのは良くも悪くも行儀の良い情報のチャート化や分析ではなく、むしろ各作家が文壇政治やリアルな政治とどう関わったかという人間臭いあり方なのだ。ゴシップに溢れているのでこの本自体がスケールの大きな小説のようでもある反面、フェアネスにおいてはなんとも言い難い。難解さを有難がる読者への辛辣な批判が耳に痛い一冊でもある
読了日:01月06日 著者:寺尾 隆吉
東京日記 他六篇 (岩波文庫)東京日記 他六篇 (岩波文庫)感想
関東大震災「以後」に書かれたことがハッキリと分かる短編集。つまり震災の爪痕がそんなに小さいものではなかったということが如実に記されているということで、ここかしこにその影は透けて見える。読みながら戦慄したりあるいは百閒の亡き人に対する思いに切なくなったりしたのだけれど、やはり圧巻は「青炎抄」と「東京日記」だろう。『冥途・旅順入城式』よりも具体性はグッと増し、輪郭がくっきり浮かび上がるようなそんな幻想小説として成立しているように思う。あとは「サラサーテの盤」も良い。たったこれだけの字数で良く狂気を書けるな、と
読了日:01月04日 著者:内田 百けん

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