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踊る猫の生活

創作のような日常/日常のような創作

松浦寿輝氏の作品を読む

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松浦寿輝氏の本を買った。

幽 花腐し (講談社文芸文庫)

幽 花腐し (講談社文芸文庫)

 

本書に収められている作品群を調べてみたところ、どうやら『幽』と『花腐し』に収録されている短編群は全て収められているということらしい。『幽』も『花腐し』も読んでいたのだけれど、あいにく内容をすっかり忘れてしまっている。新鮮な気持ちで読み返せるのではないかと思うと今からワクワクする。

松浦寿輝氏の小説を読んでいると、これが非常に傲岸不遜に聞こえることを覚悟した上で敢えて言えば、私も小説を書いてみたくなる。むろんフランス語でパリの大学で教鞭を執れる松浦氏と英語もロクに話せない私とでは教養やその他において格が違うのだけれど、そういった格の違いを無視して「これなら、このようになら自分も書けるかもしれない」と思ってしまうのだった。それは松浦氏の独特の、肩に力の入っていない(無論、隅々まで計算され尽くしているのだけれど)筆致と構成から来るものなのかもしれない。

松浦寿輝氏の本は他に『あやめ 鰈 ひかがみ』と『そこでゆっくりと死んでいきたい気持ちをそそる場所』を図書館で借りたのだった。これらもまた新鮮な気持ちで読めるのではないかと思うと幸せな気持ちになる。読書の醍醐味は「再読」にあると語っておられたのは大江健三郎氏だっただろうか。否応なしに「老い」を感じるようになったこの頃、記憶力がますます覚束なくなるのだろうけれどそれはそれでさっきも書いたけれど「新鮮な気持ちで読み返せる」のだとポジティヴに捉えることにしようと思っている。

あやめ 鰈 ひかがみ

あやめ 鰈 ひかがみ

 
そこでゆっくりと死んでいきたい気持をそそる場所

そこでゆっくりと死んでいきたい気持をそそる場所

 

他にはエッセイ集『青天有月』も買った。

青天有月 エセー (講談社文芸文庫)

青天有月 エセー (講談社文芸文庫)

 

これも何度か読んでいるのだけれど、内容をすっかり忘れてしまっている。読み返せば新しい発見があるのかもしれない。松浦氏の生真面目な(悪く言えば愚直な)エッセイが私は好きなので、この機会にきちんと読むつもりだ。そういうわけで年始はラテンアメリカ文学三昧で行こうかなと思っていたのだけれど、私にはありがちなことだが予定は大幅に狂うもの。この機会に読めてないガブリエル・ガルシア=マルケスやマリオ・バルガス=リョサ、ロベルト・ボラーニョと言った作家を読もうかと思っていたのだけれど、いざ蓋を開けてみれば全く違う読書が待っていた。

松浦寿輝氏の著作は私が持っているのは『口唇論』くらいなのだけれど、これもきちんと読めているとは言い難い。いや、なにを以て「読めている」とするかは難しいところではあるのだろうけれど、私は松浦氏の著作をきちんと読みこなせているとは言い難いのでこの年齢になって(奇しくも、松浦氏が詩作や批評から小説に軸足を移して行った年齢である)読めるところは多々あるのではないかと思っている。思えば『口唇論』を読まなければJ・G・バラードの短編を読もうとも思っていなかっただろう。世の中というのは分からない。

口唇論―記号と官能のトポス

口唇論―記号と官能のトポス

 

あとは『もののたはむれ』『巴』も読み返そうかなと思っているのだった。これに関しては手元に本があるので、早速読んでみるつもり。ただ、最近活字離れが激しいというか、本が頭に入らないコンディションが長く続いてしまっているので読めるかどうか不安ではある。

もののたはむれ

もののたはむれ

 
巴

 

あとは書評集『晴れのち曇りときどき読書』にも挑みたい、とまあそんな感じだ。

晴れのち曇りときどき読書

晴れのち曇りときどき読書

 

この機会に一冊でも多くの積読が減らせますように。